表具師 玉木楽山堂

イメージ掛軸( )の各部説明
掛軸には作品や用途にあわせてさまざまな形式があります。ここでは本仕立(行ノ行)を例に挙げて各部材の説明を簡単にします。


表装 掛軸解説図1

図 掛軸の表面
表装 掛軸解説図2


図 掛軸の裏面

●紐(掛緒(かけお)巻緒(まきお)
掛緒は掛軸を吊るす金具に掛けて、掛軸を吊るすための紐です。巻緒は掛緒へ取り付け、収納時に掛軸を巻き留めるための紐です。

(かん)
掛緒を取り付ける金具です。

八双(はっそう)(発装)
掛軸の上部を支える部材です。

天地(てんち)上下(じょうげ)
中廻しの上と下に付ける布です。上方に付けるものを『(てん)(じょう))』、下方に付けるものを『()(げ))』と呼びます。また、天地は単に『上下(じょうげ)』とも呼びます。

風帯(ふうたい)
風帯には『垂風帯(さげふうたい)』、『(おし)風帯』、『筋割(すじわり)風帯』などがあります。これらの中で『垂風帯』が最も一般的なものです。

(つゆ)
垂風帯(さげふうたい)の下端の左右に付けた小さい(ふさ)のような糸のことで、白い糸のものを『露』、浅葱(あさぎ)(浅浅葱)色のものを『水』、さらにそれ以外のものを『花』と称します。露は垂風帯以外には付けません。

一文字(いちもんじ)
本紙の上下に付けた掛軸の中でもポイントになる部分です。他の部分よりも上質の布を使います。

中廻(ちゅうまわし)中縁(ちゅうべり))、(はしら)
一文字を付けた本紙の周りを取り囲むものです。特に本紙左右部分の垂直縁を『柱』と呼びます。

●軸先
軸先は掛軸を巻いたり広げたりするときの手かけとなる部分です。さまざまな種類があり、その装飾には多様な工夫がなされています。

軸木(じくぎ)下軸(しもじく)
軸棒(じくぼう)』とも、また単に『(じく)』ともいいます。巻き収めるときの芯となるところであるので、『軸』という字をつけて呼称します。

上巻(うわまき)巻絹(まきぎぬ)
掛軸を巻き収めたときに表に見える部分で、巻き収めた状態の掛軸を擦れなどから保護、かつ装飾するものです。

軸助(じくだすけ)
軸木部の補強に用います。通常は上巻と同じ素材を使用します。




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