●工程①:取合せ
作品に合わせて布を選びます。用いる布によって作品の雰囲気が大きく変わるので慎重に選びます。 |
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●工程②:肌裏
通常、掛軸には三回の裏打ちがされています。肌裏は一回目の裏打ちです。しっかりとした和紙で裏打ちし、作品と布に剛性を与え補強し安定化を図ります。 |
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●工程③:増裏
増裏は二回目の裏打ちになります。作品と布にしなやかさを与え、厚さを調節します。 |
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●工程④:付廻し
増裏まで完了した作品・キレを裁断し、付廻していきます。作品にキレを取り付けていくことを付廻しといいます。
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●工程⑤:総裏
総裏は三回目の裏打ちになります。この総裏には各部材を一体化して補強・安定化を図るという目的だけでなく、掛軸裏面の体裁を整えるという目的もあります。そのため、総裏用の紙には宇陀紙のような表情の美しい紙を使います。宇陀紙には白い土粉が混入されて漉かれています。これにより、大気中の水分による酸性化を緩和するだけでなく、防虫や透け止めといった効果を得ます。
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●工程⑥:仮張り
総裏打ちした掛軸を仮張りと呼ぶ乾燥専用の道具に張り込んで乾燥させます。初めは掛軸の裏面を表側にして乾燥させます。そして次に十分乾燥した掛軸の表面を表側にして仮張りに張り込んで掛軸の調整をします。
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●工程⑦:仕上げ
掛軸の上部と下部に軸棒を取り付けていきます。上部の軸棒を八双、下部の軸棒を軸木といいます。軸棒を取り付けましたら、次に風袋を取り付けます。風袋を取り付けた後に鐶と紐を取り付けて完成です。
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●工程⑧:完成 |
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